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2024.04.01

個人的な「失われた30年」への感想

こんにちは。

ホテル旅館コンサルタントの坂本です。


日経平均株価が40,000円を越えましたね。

景気は良くなってきつつあるような実感は、

みなさん、お持ちでしょうか?

私は、あるような、ないような・・・。


なぜかというと、

私は、1998年就職で、

いわゆる

「就職氷河期世代」

です。


ありがたいことに、

三流私立大学から、

一部上場の大手電子部品メーカーに就職できて、

それほど、

就職氷河期を経験していません。

そして、

それから25年。

高度経済成長期

や、

バブル期を

知らない私からすると、


「この25年間が当たり前の状態」


なのです。


高度経済成長期でも、

景気の悪い会社はあったでしょう。


バブル期でも、

置いてけぼりを喰らった会社もあったでしょう。


失われた30年の中でも、

好調で業績の伸びた会社は、あったでしょう。



「失われた30年」

を語るのは、

ほとんどが、

高度経済成長期経験者か、

バブル期経験者、

なのではないでしょうか。



気持ちはわかりますが、

その時代と比較されても・・・、

と言う感じです。

その時代、

特にバブルは

「異常」

だったわけですから。



さて、

少し話を変えて、

「今の日本の課題」

って、なんでしょう?



「景気が悪い」



本当ですか?


私の周りにいる同世代の方、

特に自営業をされている方々は、

景気が悪い方は、

ほとんどいないようです。



「政治が悪い」



人類の歴史上、

逆に、

「政治が良かった時代」

など、数えるほどしかないのではないでしょうか。

みなさん、自分の生活が、

それなりに成り立っていれば、

「政治の悪さ」

などは、目につかず、

自分たちの不満が溜まりだすと、

「政治が悪い」

と言い出しているだけではないでしょうか。


では、



「今の日本の課題」



は、

なんなのでしょうか?



では、質問を変えます。



「みなさんは、日本が、どのような国になって欲しいですか?」



「消費税が5%の国になってほしい」

「高校無償化の国になってほしい」

「働かなくても、生活保護でパチンコ三昧の暮らしができる国になってほしい」
(実現してますね)

「名目GDPが1位の経済大国になってほしい」


いやいや、

本当ですか?

もちろん、重要で大切なことですが、

あまりにも、


「部分最適」


ではありませんか。


この目標を聞いて、


「ワクワク」しますか?


「日本て、夢のある国だな」


と思いますか。


それが実現されたら、

皆さんが幸せになれる目標や夢ですか?

そんなわけないですよね。

では、



「どんな国になってほしいですか」



「ワクワクする、将来が楽しみになる国」


抽象的ですが、そんな国になってほしいですよね。



では、

あなたの住んでいる市町村は、どんな街になってほしいですか?

あなたの会社は、どんな会社になってほしいですか?

あなたの家族は、どんな家族になってほしいですか?

あなたは、どんな人生を歩みたいですか?


ほとんどの方が、答えられないのではないでしょうか。

そうです、

今、日本の最も大きな課題は、


「多くの日本人が、夢や目標を持っていないこと」


です。


「ワクワク、将来が楽しみになる夢や目標」です。


そして、

政治で言えば、

「魅力的で、将来に期待が持てるような日本の
”あるべき姿”を指し示す政治家がいない」


と言うことで、


経済で言えば、

「魅力的な”ワクワクして将来を託せる会社の姿”を
指し示す経営者がいない」

と言うことです。


それは、

政治家にしても、

経済人にしても、



「部分最適ばかりで、

全体最適を考えていない政治家」


であったり、


「自分自身が、人生を楽しんでいない経営者」

そして、


「言われたことに疑問を持たずに、
忠実に業務をこなすサラリーマン」


だからです。



しかし、逆に言えば、

「なんとなくでも生きていける」

と言う、

「平和で恵まれた国」

だからです。


高度経済成長期は、

みなさん必死で、

そんなことを考える暇もなかったのでしょう。


テレビなどの限られた情報の中、

マスメディアの影響もあり、


仕事して、

お金を稼いで、

食事して、

いつかは三種の神器を買って、

いつかはマイホームを買って、

いつかはマイカーを買って、

いつかは新三種の神器を買って、

いつかは熱海に別荘を買って・・・。


目の前に

人参をぶら下げられるように

次々に目標や夢ができて、

必死で

「生きてきた」

のでしょう。


ところが、

バブル崩壊のタイミングで、

少し価値観が変わってきます。

生活様式も変わってきます。

それを決定付けて、

加速させたのが、



「インターネットの普及」



です。

ここに、

情報弱者と強者が生まれ、

情報に踊らされるもの、



情報を利用するもの、

が生まれ、

情報が使いこなせないものたち、

は、

置いて行かれることになります。


会社においては、

情報を使いこなせる若手



情報を使いこなせないベテラン

が生まれることになり、


価値観や仕事のやり方が大きく変わっていく中で、


「なんとか自分の存在価値を高めよう、
とアナログ手法で悪あがきするベテラン」

=本人たちは至って本気だが、
若手からすると”仕事をしてるフリ”にしか見えない方々



「ベテランを尻目に、自分たちの自己実現や、
キャリアアップを図るためにデジタルを駆使する若者」

=本人たちは、普通なのだが、
ベテランからすると、”仕事をしているフリ”にしか見えない方々

に、

別れることになります。



しかしながら、

既得権益や年功序列の強い日本社会では、

ベテランや年上層、中年層、年配層が、

決定権を持つことが普通です。


その結果、

この悪しき習慣から抜けられない会社や

自治体は、

今で言うところの、

「不適切にも程がある」会社、

「夢や目標のない」自治体へと、

こののち30年間、

進んでいくことになったのかと思います。


そのため、

この不条理な社会に反発して、

辞める若者も多かったのではないか、

と想像します。


そして、

勝ち残った?ベテラン中年層・年配層は、

昔の自慢話に終始して、

「仕事をしているフリ=本人たちは大真面目に仕事しているつもり”」

となり、

バブル後30代40代だった方々が、

定年退職までの30年間を、

変化を拒絶することで、

「失われた」

のではないでしょうか。



そして、

そのバブル後30代40代から、

直接薫陶を受けて、当時20代

今、50代、の方々は、

昭和のやり方を押し付けられつつ、

就職氷河期やITバブルを経験した、

激戦を潜り抜けた、

30代40代に突き上げられ、

ついには、



”開き直った方々”



が、多いのではないでしょうか?


ここまで書いていますが、

もちろん、

これらの変化に対応して、

人間としても、社会人としても、

尊敬できる50代60代70代の方は、

たくさんいらっしゃいます。



しかしながら、

多くのいわゆる「サラリーマン」の方々は、

「考えること」を放棄して、

「ただの老害」

になっている50代60代70代(80代などは論外)が

多いのが、

「今の日本の課題」

なのでは、ないでしょうか。



平日の昼間、

ショッピングセンターや家電量販店の

無料駐車場を見てください。

車の中で居眠りしている人の、

なんと多いことか。


では、

彼らに、

もし聞くことができれば、

「今の日本の課題はなんですか?」

と聞いたら、

7割くらいの方が、

「若い奴らが頼りない」

と言うと思います。



今に限らず、

いつの時代も、

この言葉は繰り返され、

そして、

大きな変革が起きて、

世の中が前に進むのではないでしょうか。


明治維新、大戦での敗北など、

大きなインパクトイベントで。


しかし、現代に生きる我々は、

「歴史に学ぶ」

とすれば、

これらの

「暴力による変革」

ではなく、


「意識の変化」



「対話と理解」


により、変革を起こせるのではないでしょうか。



50代以上のみなさんは、

「自分が頑張らねば」



「自分が率先しなければ」

と言う、

自動車で例えるなら、

「アクセル」

である、

と自己認識している方が多いです。


しかも、年齢を重ねれば重ねるほど、

その意識は、

強く頑固になっている気がします。


残念ながら、

一部の柔軟性のある、

行動力と理解のある方を除くと


「ブレーキ」


である、と認識を改める方が良いでしょう。



ただ、

勘違いしないでください。



「ブレーキのない自動車に乗りますか?」



普通は、

乗りませんよね。



ブレーキは、

とても重要な機能であり、

なくてはならない装置です。



アクセルが暴走した時、

必要になるのが、

フレーキです。



そのような認識を持って、

対話を重ねて、

相互理解を深めることで、

今の日本の課題

の80%くらいは、

解決するのでは、

ないでしょうか。


私も

50歳近くなり、

すでに、

「老害」

となりつつあることを、

自覚しています。



スポーツを見ても、

10代20代の方の活躍には、

目を見張るものがあります。



テレビ番組の

「博士ちゃん」

を見ても、

子供・若者の吸収力・好奇心は、

尊敬すべき能力ばかりです。



ただ、

もし自分の子供がそうなったとき、

「どんどんやりなさい」

と言える親はどれくらいいるでしょうか。

「そんなことする時間があれば、勉強しなさい」

と言ってしまう親が、ほとんどではないでしょうか。



子供の可能性を信じて、

若者の可能性を信じて、

若手の可能性を信じて、

どんどん任せることで、



日本の課題は、

徐々に解決されていくのではないでしょうか。


「失われつつある40年」


にしないためにも、

まずは、

自分の子供たちを信じて、

任せます。

10年後が楽しみになる、

そんな人生にしていきたいですし、

子供達が、

そんな人生を歩んでもらえれば、

これほど嬉しいことはないですね。



未来の子供達のために、

まずは自分にできることを。



「夢と楽しい目標を持つ大人になること」




最近ご支援した

「旅館の自主再建のときの話」

をご参考までに。


70代の経営者が、

金融機関からの支援を受けて、

自主再建をすることになりました。

私は、

アドバイザーとして少し関わったのですが、

打ち合わせの際に、

金融機関の担当者が、

「今まで以上に頑張ってください」

と、経営者に伝えていました。



さて、

これだけを見ると、

「日本全国で、よくある再生案件での会話」

なのですが、


結論からお伝えすると、

「それでは、再生は、かなり厳しい」

です。


なぜなら、

20年間以上、

赤字経営をしている経営者が、


「既存の価値観を持ったまま」

「今まで以上に頑張る」


と、何が起きるでしょうか?


それは、


「今まで以上に赤字が増える経営になる」


と言うことです。


仕方ないですよね、

70代の経営者は、

「売上を上げる方法なんて知らない」

のですから。



自分が知っているやり方

=昭和的な、設備などハード重視の投資



を積極的に進めることになります。

旅館で言えば、

ボイラーの交換、

客室のリフォーム

宴会場のリフォーム

などなど。

もちろん、設備投資は、

とても重要なことです。

しかし、

再生案件になっている旅館が、

優先的に取り組む内容ではありません。



再生の具体的な方法は、

別のブログで書いておりますので、

そちらをご一読ください。

https://green-oceanz.jp/blogdetail?wgd=blog-53



これって、

旅館の話ですが、

皆さんの会社でも、

同じことが起きていませんか?

日本の政治でも、

同じことが起きていませんか?

そろそろ本気で、

変えていかないと、



昭和的なやり方で、

このデジタル化された、

AIを活用する時代は、


乗り越えられない、

と思います。


しかも、

人口減少が、

待ったなし

の状況です。



「幸せで夢のある国」を目指して、

「幸せで目標を持てる会社」を目指して、

「幸せで楽しい家族」を目指して、

「幸せで楽しい人生」を歩みませんか。


50代以上の方々は、

早々に、ご退陣いただいて、

20代30代40代の若手に、

任せませんか。



「変化を受け入れられない世代が、昭和的なやり方で頑張る」



よりも、



「柔軟な思考を持つ世代が、新しいやり方含めて、
行動力を持って試行錯誤する」


方が、

よほど、将来性と可能性があると思うのです。


まずは、自分の周りから。

そして、

自分自身が、

「夢」

を持ち、

「人生を楽しむ」

ことから、

始めてみませんか。

そのために、


「ちょっとした”余裕”」

を、持ちませんか。

気持ちに、

時間に、

言葉遣いや

立ち居振る舞いに。