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2023.05.25

【新規開業】3つのポイント:1. プロのアドバイザーの必要性

こんにちは。


ホテル旅館専門コンサルタントの坂本です。


以前にも、


「新規開業」


について、少し書きましたが、


最近、


「異業種からの、ホテルビジネスへの新規参入」


の問い合わせが、増えてきています。


不動産、建設は、


以前からよくありましたが、


最近では


「病院」


「アミューズメント(パチンコ)」


「IT企業」


「小売業」


などなど、


変わったところで、


「酒屋さん(地主さん)」


からの問い合わせがあります。




「魅力的な宿泊施設」


が増えることは、


業界にとっても、とても良いことです。


また、私、個人的には、


「素人目線(良い意味での)」


は、とても大切だと思っています。


どの業界でも


長くいればいるほど、


「目が曇る」


ものです。


そういう意味では、


「澄んだ目」


を持っている異業種の方が、


「参入」


していただけるのは、


とても良いことだと思います。




ただし、


やはり、



「既存事業では成功」



したかもしれませんが、



「ホテル旅館など宿泊事業は別物」



と、お考えいただいた方が、



良いと思います。




「宿泊事業で成功するかどうか」


は、


1.「プロのアドバイザー(コンサルタント)の支援」






2.「経営者の事業への頭の切り替え」


3.「開業までの事前準備と開業後の修正」


が、90%以上だと思います。




もう少し、具体的に説明しますね。


まず、


1.「プロのアドバイザー(コンサルタント)の支援」


について、


今回は、解説します。


ほとんどの新規参入の方が、


最初にアドバイスを求めるのが、


「金融機関」


です。


「物件情報」



「売買情報」



「資金調達」



などなど、金融機関は重要です。



ただ、



「金融機関は、ホテル旅館経営は、素人」



です。


上記の


「物件情報」
「売買情報」
「資金調達」


くらいまでは、対応できますが、


「事業計画」


は作れませんし、作らないです。


あくまで、上記の情報に限定するのが良いです。



次に、

アドバイザーとして、

意外に多いのが、


「知り合いのホテル経営者」


です。


これは、


正直、


「知り合いのホテル経営者は、

当たり外れがあり、ほとんどハズレ」


だと考えていただいた方が良いと思います。



特に、


「創業者ではない創業家の

2代目3代目以降の経営者のアドバイスは、

ほとんど役に立たない」



とお考えいただいた方が良いです。


もちろん、優秀な方もいらっしゃいますが、


私の経験で言うと、


「同じような立場の方が、

10人いて、

経営者としてまともに話が通じる方は、

1-2人くらい」


です。


似たことを、後述しますが、


ほとんどの2代目・3代目は、


家具屋姫の事例でも明らかな通り、


「その業界について、あるいは、現場を知らない」


「当たり前のビジネス発想ができない」


「必要な設備投資などがわからない、だから、やらない」


からです。


仕方ないですよね、


おじいさんやお父さんが作った仕組みの上を、


ただ


「漫然と歩いている経営者」が、


ほとんどですから。


まだ、繁盛している他社・他宿泊施設で、


3−5年程度修行したのであれば、


まだ、良いのでしょうが、


「大学卒業して、海外留学して、親の会社にそのまま入社」


した後継者は、


「全く経営・運営能力がない」


と考えていた方が良いと思います。


また、


当然ですが、


「その経営者の方が、

運営されているホテル自体が、

儲かっていますか」


を確認する必要があります。


残念ながら、そうでないケースが多々あります。



「なぜでしょうか?」



簡単です。


「いまだに、

高度経済成長下と同じ感覚で経営している、

昭和の経営者」


だからです。


冗談のような話ですが、


京都にも、


「いまだに、毎月、東京のリアルエージェントへチラシの売り込み」


のみを



「営業活動」



として、最優先で取り組んでいるホテル・旅館があります。


残念ですが、


稼働率や収益は、言わずもがな、です。


そもそも、


「稼働率や収益なども把握していない経営者がほとんど」


です。


なぜ、


「私がここまで厳しく言うか」


と言いますと、


私のもとに持ち込まれる


「旅館再生案件」


は、ほとんどが、このケースだからです。


さて、

批判するだけでは、

芸がないので、


一応、プロのアドバイザーの見分け方を。


「ホテルの経営改善」

に限らず、経営の3つのリソース、

①ヒト(人材)

②モノ(建物・設備などハードなど)

③カネ(投資資金)

が重要なのは言うまでもありません。

現代では、

この3つのリソースに加えて、

④コト(情報)

が必要になってきます。



そこで、


新規開業の相談を、


ホテル旅館の経営コンサルタントや


経営改善アドバイザーなど、


プロのアドバイザーへ行った際に、

まずは、


「PMS・サイトコントローラー導入についてのアドバイス」


「OTA集客に対するレベニューマネジメント(コントロール)、
 ダイナミックプライシングについてのアドバイス」


「マーケティング戦略(施設コンセプトやターゲット=インバウンド)についてのアドバイス」


というようなアドバイスが無いようでしたら、


「現代では通用しない古いタイプのアドバイザー」



だとお考えください。


また、


「施設=ハード重視に関するアドバイスばかりする」


「集客に、団体や旅行代理店への営業をアドバイスする」


「インバウンドに対しての理解が全くない」


「平均稼働率90%以上の宿泊施設を運営したことがない」


などの


アドバイザーにも気をつけてください。


ハードは、


目に見えて、わかりやすいですし、


動くお金も大きいので、


色々い言う方が多いです。


ただし、


「そのハード投資は、お客様の喜びに直結しているか」


を考えて判断してください。


「経営者の見栄のため投資じゃ無いですか?」


と言うことを、


冷静にお考えください。


もちろん、



「スタッフとの面接」


「意識共有のための朝礼・夕礼の実施」


「社内営業会議の実施」


なども、重要なのですが、


これは、


「会社組織としては当たり前」


のことで、


「この取り組みで、円滑な新規開業ができますか」


と言うことを、お考えください。


1件単体の中小零細のホテル・旅館では、


経営改善の効果が見えず、


長続きしません。


改革を始めてから、


早くても6ヶ月か、1年後くらいからでしょう。



さて、

話をアドバイザーへ戻しましょう。



そこから、

私などへ、

「アドバイザーになってもらえませんか」

と、

ご紹介いただくことも多いですが、

だいたい、

他にも、複数の方が紹介されているので、


「私がアドバイザーとして選ばれることは、ほとんどありません」


これも、理由があります。


他のアドバイザーは、


「外資系ホテル出身者」


であったり、


「大手内資系ホテル出身者」


と言う


「ブランド」


を持っているからです。



そして、


ほとんどの新規参入の経営者は、


こちらの方々を、


「アドバイザー」


として選びます。


確かに、ブランドとしては、良いのですが、


大切なのは、


「新規開業の経験があるのか?」


「自分で様々な宿泊施設を経営・運営したのか?」


です。


当たり前ですが、


「ホテル運営の支配人やマネージャの経験はある」


でしょうが、


この経験は、何度も言いますが、


「すでに仕組みができている宿泊施設」


では、活きてきますが、


「新規開業 = 今から仕組みを創る施設」


では、


「創った経験」


が必須です。


そのため、多くのアドバイザーの方は、


残念ながら、


「理想論」


はアドバイスしてくれるのですが、


ほとんど役に立ちません。



なぜなら

「知らない」

「できない」

「やらない」

からです。


冷静に考えてください。


外資系ホテルにしても、

大手内資系ホテルにしても、

「もうすでに仕組みが出来上がっている」

宿泊施設です。


その

「仕組みが出来上がっている宿泊施設」


に、何年いても、何十年いても、


「仕組みの上を歩いているだけ」


「歯車の一つしか経験がない」


「一つの施設しか知らない」


です。


もちろん、


新規参入ホテルではなく、

「経営改善」

と言うことであれば、

まだ多少の役には立つと思いますが、

想像してください。



上記のような人材が、

「経営改善・改革」

ができると思いますか?


ましてや、

新しく仕組みを作る

「新規開業」

で必要なのは、

繰り返しになりますが、


「自分で宿泊施設を立ち上げた経験」




「経営者として、宿泊施設を経営・運営した経験」


そして、


「自分で現場のオペレーションも行ってきた経験」


です。

繰り返しますが、

「外資系ホテル出身者」



「内資系ホテル出身者」

も、

どの経験も、持っていません。


参考にはなるでしょうが、


「確実に新規開業を導くプロのアドバイザー」


には、残念ながら、なりません。



また、

「新規開業」

の時に、アドバイザーに求められる知識や経験は、

「コンセプトメイク」

「コンセプトカラー」

などのマーケティングから、


「設計図面」などの建築士との

「具体的な施設面でのアドバイス」

「具体的な開業スケジュール」
(例えば、OTAといつ契約するのか)

「PMS(ホテルシステム)の選択と導入」

「OTA集客に関するアドバイス」

「人財採用」

など、多岐に渡ります。


これら、全てを経験している人間は、

なかなかいません。
(私は経験してます)



また、

「設計図面」



「インテリアデザイン」

などは、

やはり専門の、ホテル設計やデザインを何十棟と経験している方と、

「ビジネスパートナー」

になっています。



開業に関わるアドバイザー費用は、


もちろんホテルの規模にもよりますが、


設計士などの費用を入れても、


500-1000万円程度です。


ここは、


「絶対にケチる投資ではない」


と言うことを、


強くお伝えしておきます。


とても、大切なので、


もう一度言いますね、


「アドバイザー費用は、

絶対にケチる投資ではない」


と言うことです。


すでに、

一部の地域では、


「ホテル旅館は供給過剰」


と言われています。



ただ、

「私は、そうは思っていません」

ただ、


「同じような、特徴のないホテル旅館は、飽和状態」


だと認識しています。



特に、大阪や、京都などの観光都市は。


個性的、


かつ


これからの


「インバウンドが求めている宿」


を実現したいのであれば、


私でなくても(私がベストだとは思っていますが)


「プロのアドバイザー」


を必ずお願いしてください。



そうすることで、

「日本に、地域に、さらに魅力的な宿が増える」

ことを、心から望んでいます。




次回は、新規参入の


2.「経営者の頭の切り替え」


について、書きたいと思います。