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2023.05.20

【料理メニュー改革】6つのポイント:4. 接客「料理説明」

こんにちは。

ホテル旅館専門コンサルタントの坂本です。


さて、

前回に引き続き、

料理メニュー改革についての6つのポイント

について、

解説します。


6つのポイントは、

1. 料理[XXづくし」

2. 感性「器」と「盛付」

3. ビジュアルコンテンツ「写真」「動画」

4. 料理説明「接客」

5. 売上収益と顧客満足度アップ「ドリンク」

6. 情報発信「SNSの活用」

です。


今回は、

4. 接客「料理説明」

について解説します。


料理人さんが、

素敵な料理を作ってくれて、

その料理をさらに魅力的に演出するのが、

「接客」

であり、

「料理説明」

です。


そして、

この

「料理説明」

によっては、

次のブログで解説する、

「ドリンク」



「ペアリング」

の提案による売上アップ、

を図ることが可能になります。

逆を言えば、


この

「接客」



「料理説明」

を適当にすると、

「顧客満足度に直結する」

くらい、

不満を持たれることになりかねません。

そのためには、

様々な

「事前準備」

が必要です。


例えば、

・「従業員向けの試食会の実施」

・「従業員向けの解説資料の作成」

・「SNSへの料理情報のアップ」

・「ドリンクとの試飲会の実施」

・「お品書きの作成」

・「接客コメントの従業員同士の共有」

・「アレルギー対応」

・「器・カトラリーの選定」

などです。

そして、

お客様が着席された後には、

・「料理のコンセプト説明」

・「料理長の紹介」

・「ドリンクとのペアリング」

・「料理長挨拶のタイミング」

・「お品書きに書いていない食材情報」

・「オススメの食べる順番」

・「食事後の感想伺い」

などが挙げられます。



一つづつ、

解説したいと思います。



・「従業員向けの試食会」

これは、必須の取り組みです。

1人づつ少量のポーションを準備して、

食べてもらいます。

私の知っているいくつかの旅館でも、

「料理を特徴」

にしている旅館は、

「従業員向けの試食会」

を必ず行っています。

味も知らないのに料理説明はできません。

できれば、

試食会後にアンケートを取ったり、

従業員それぞれに、

「お気に入りの料理」

を見つけてもらうと、

「お客様への説明に説得力」

が増します。

コストはかかりますが、

十分回収できるコストです。

積極的に取り組んでほしいと思います。



・「SNSへの料理情報のアップ」

3. ビジュアルコンテンツ「写真」「動画」

でも解説しましたし、

6. SNSの活用

でも、改めて解説しますが、

それほど、

SNSへの料理情報アップは、

「最も効果的な集客ツールの一つ」

になっています。

詳細は、

上記のブログで、

耳にタコができるくらい繰り返し、

お伝えしていますので、

ここでは、省略します。



・「ドリンクとの試飲会」

上述の

「試食会」

と合わせて、

「試飲会」

も行えるのであれば、

ぜひ実施してほしいと思います。

「どの料理に、どのドリンクが合うのか」

を、

取引先の酒屋さんに相談などして、

あるいは、

料理長の意見を聴きながら

有料でも良いので、

実施してもらうのが良いと思います。

これにより、

「売上アップ」



「顧客満足度アップ」

を図ることができます。



・「お品書き」

これは、

当日お席に準備するものですが、

「紙質」



「字体」

など含めて、

どのような

「お品書き」

が、

最もふさわしいのか、

「お客様が持って帰りたくなるお品書き」

を準備するようにしてください。



・「接客コメントの従業員同士の共有」

実際にサービスが始まると、

接客する中で、

お客様の

「様々な反応」

が返ってきます。

「これらの情報を接客係で共有する」

ことが重要です。

もちろん、

「お客様の反応は千差万別」

です。

同じように説明してても、

「喜ぶお客様」

もいれば、

「面倒くさがるお客様」

もいらっしゃると思います。

「ポジティブな反応」

だけでなく、

「ネガティブな反応」

も共有することを

心がけてください。

共有のツールとしては、

一昔前であれば、

「共有ノート」

などを活用していましたが、

今はLINEなど、

「デジタル社内共有ツール」

がありますので、

これらを活用することと、

「これらの情報を共有することは、重要な業務である」

と言う認識を、従業員皆さんが持つことが重要です。



・「アレルギー対応」

これは、

「接客」「料理説明」

と言うよりは、

「事前に入手して可能な限り対応」

する必要がありますが、

「どこまで対応するのか」

が重要になってきます。

「アレルギーについては、確実に対応する」

ことが求められがちですが、

「好き嫌い」

については、

「対応できるのであれば対応する」

くらいが良いのではないでしょうか。

その際にも、

味付けが偏らないように、

注意する必要があります。

お酒を飲む方でしたら、

「塩辛い」

ものに偏っても、

ある程度、ご納得いただけますが、

「甘味」

のものに偏ると、

お客様によっては、

不満になることが多いです。

また、

「お客様が残された食事・食材」

についても、

次回の予約・滞在に生かせるかもしれませんので、

しっかりと

ホテルシステムの顧客管理や

カルテに残すようにしてください。




・「器・カトラリーの選定」

器については、

料理人さんの感性に委ねる部分も多いのですが、

例えば、

箸ではなく、

あえて

「スプーンで食べてもらう」

などがある場合、

「金属のスプーンであれば、

器への傷つきを注意するため、

木製スプーンへ変更する」

などの対応や、

お客様によく喜ばれる例で言えば、

「左利きのお客様には、左利きのカトラリーの置き方をする」

ことで、かなり満足度は上がります。


などが挙げられます。


そして、

お客様が着席された後には、


・「料理のコンセプト説明」

から始まります。

「本日の料理の名前」



「本日の料理のテーマ(季節感)」

などを説明することで、

「お客様の期待感を醸成」

します。


・「料理長の紹介」

もし料理長のキャリアなど特筆すべき点があれば、

ここでも同様に、

「料理長の簡単な職歴やキャリア」

をお客様にお伝えするもの良いと思います。

そうすることで、

この後の、

「料理長挨拶」

での受け答えや、お客様の満足感も変わってきます。



・「ドリンクとのペアリング」

「まずは、お飲み物のご注文がございましたら、お伺いします」

から始まりますが、

「お水で」



「お茶で」

と言うお客様には、

これ以上深追いは禁物です。

「お客様の不満」になるだけです。

さっと

「ドリンクメニュー」

だけをおいて、

「では、お料理を始めさせていただきます」

とお伝えして、

料理をスタートしましょう。

基本は、

「お客様のタイミングで飲みたいものを注文していただく」

ことが重要です。



・「お品書きに書いていない食材情報」

お品書きには、食材名や料理名は載せていることが多いですが、

「産地」



「生産者情報」

などは載せていないことが多いです。

お客様が興味のありそうな料理については、

このような情報もお伝えすることで、

さらなる

「顧客満足度の向上」

を目指します。



・「オススメの食べる順番」

「八寸」



「デザート」

など、

「複数の料理がのっている料理」

では、

「ちょっとした食べる順番」

をお伝えすることで、

お客様の満足度が向上します。

例えば、

八寸で、

「こちらの料理から時計回りに食べていただくと、

薄味から濃い味で、全ての素材の味を楽しめます」

や、

デザートで、

「先にいちごをお召し上がると、

よりメロンの甘みをより強く感じていただけると思います」

などです。



・「料理長挨拶のタイミング」

料理もメインディッシュ前くらいになってきた時に、

料理の反応を見ておきます。

反応が良いようであれば、

「次は、強肴(メインディッシュ)ですが、もしよろしければ、

料理長渾身の料理ですので、料理長がぜひ、自身で説明したい、

と申しておりますが、お連れしてもよろしいでしょうか」

など、お伝えして、料理長に席まで来てもらい、

料理説明を行っていただきます。

もし、この際に、ドリンクなどもお勧めできそうであれば、

料理長へ、

「次のメインディッシュには、この日本酒(ワイン)が合いますよ」

などと言ってもらうことも効果的です。


・「食事後の感想伺い」

デザートを提供して、

一息ついたくらいで、

お客様へ、

「本日の料理はご満足いただけましたでしょうか」

と確認します。

「明らかに不満がありそうなお客様」

でも

「明らかに満足しているお客様」

でも、

どちらのお客様でも、

確実に確認してください。


「明らかに不満がありそうなお客様」

は、

「ガス抜き」

を行うとともに、

「夕食での不満を、朝食での挽回」

をするための、

「何がご不満だったのか」を確認する

最後のチャンスです。

ここで、感想を聞いておかかないと、

「口コミでボロカス書かれる可能性が高い」

です。

また、

「明らかに満足されているお客様」

は、

「振り返りを行うことで、より高い満足感を思い出してもらうため」

です。



上記の取り組みは、

ほんの一部です。

これらのノウハウを蓄積することで、

スタッフで共有することで、

「料理で選ばれる宿」に、

多くの宿がなれるチャンスです。


インバウンドが本格的に戻ってくるまでがチャンスです。

皆様の宿が、さらにさらに魅力的になるお手伝いを、

一緒にさせていただければ、と思います。


次回は、

料理メニュー改革についての6つのポイント

5. ドリンク

について説明します。