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2023.05.03

【ホテル自主再建】5つのポイント:3. 料理メニュー・宿泊プランなどのサービスコンテンツの見直し

こんにちは。


ホテル旅館専門経営コンサルタントの坂本です。


さて、前回に続いて

「ホテル自主再建5つのポイント」

について、解説します。


ポイントは、

以下の5つです。


1. 既存経営層の完全な退陣

2. ターゲット設定と集客方法の適正化

3. 料理メニュー・宿泊プランなどのサービスコンテンツの見直し

4. 社内インフラ・宿泊施設の修繕・魅力アップ

5. 稼ぎ続けられる、人が育ち続ける「仕組み作り」


それぞれの5つのポイントについて、

解説します。


今回は、

3. 料理メニュー・宿泊プランなどのサービスコンテンツの見直し

について、解説します。


皆さんは、


旅行の際に、

ホテルや旅館を、どのような基準で選びますか?


価格?


温泉?


多くの方が、


「料理」


と挙げられます。


つまり、


「料理」は、


ホテル旅館を選ぶ際の、


「大きな基準の一つ」


です。


そして、


「自主再建」


のときも同じなのですが、


「料理メニュー」


を挙げるのは、


「投資に対する宿泊価格への反映効率が、最も良い」


つまり、


「最小限の投資で最大限の効果が期待できる」


からです。


これ、ものすごく大切なので、もう一度書きますね。


「投資に対する宿泊価格への反映効率が、最も良い」


からです。


地方のホテルや旅館は、


高度経済成長時代までは、


地元の宴会や、

老人会、


結婚式などを


対象にした、


いわゆる


「旅館会席」


が中心でした。


そのため、


例えば、


「京風会席」


のような、



「豪華」

であり、

「品数が多く」

山近くのホテル旅館では、

「海の幸」を中心に、

海近くのホテル旅館では、

「山の幸」を中心に、

と言うような、

あくまで、

「地元のお客様が喜ぶ、外の食材を使った料理」

が中心でした。


しかしながら、

地方のホテル旅館に、

「癒しを求め」

「その土地らしさを求める」

都市部のお客様が増えることにより、

「都市部では食べられない」

「地元食材を中心とした料理」

を求めてくるようになりました。


そして、今、インバウンドが

日本へ、大量に押し寄せてきています。

この方々は、


「日本らしさ=和食・生食・発酵食」


などを求めてきています。


「ここでしか味わうことができない料理」


の提供が求められています。


そして、

「料理の試作開発」

は、

よほどの贅沢食材を使わない限り、

数万円、かかっても20万円もあれば、

試作・試食会などが可能です。


今でしたら、

インターネットである程度検索して、

「地元の魅力的な食材を探すことで」

「魅力的な料理メニューの宿泊プラン」

を創ることが出来ます。


そして、


この「料理メニュー」は、


「宿泊プランの価格にそのまま反映できる」


つまり、


「売上アップに直結する取り組み」


となります。



これほど、少ない投資で、


大きく売上に関わる投資は、


「料理メニュー」


しかありません。


自主再建での取り組みの中で、


「料理メニューの見直し」



「料理メニューの追加」

は、

「最優先で取り組むべきこと」

なのです。


ここで、メニュー作成のポイントを2つ。


一つ目のポイント、


それは「XXづくし」


と言うように、


「お客様にわかりやすい料理メニューを設定する」


と言うことです。


例えば、


「お魚づくし会席」


「きのこづくし御膳」


「山菜づくし鍋」


どうしても、思い浮かばなければ、


田舎で、水が綺麗であれば、


「豆腐づくし御膳」


を提案します。


私がご支援した施設でもありますが、

例えば、


「信州御膳」などは、


イメージが湧きにくく、


あるいは、人によって


「思い浮かぶ料理がバラバラ」


になるようなネーミングは、


避ける方が良いでしょう。


そして、

二つ目のポイント、

「宿泊プランの値付」


です。


私自身、かつて、


ある海沿いの旅館の再生を行った際、


「魚づくし御膳」


を提案し、料理長と一緒にメニュー構成を考えました。


そして、


「このお魚づくしメニューは、

既存の、この高単価会席と同じ値段以上で設定してください」

と社長に依頼しました。


しかしながら、

社長は、

「こんな会席で、この値段はつけられない」

として、

「かなり格安の価格設定」

をしてしまいました。


結果、

そのプランは、

「爆発的ヒット」

しました。


ところが、

「売れば売るほど、赤字」

となりました。


この旅館は、

3年後、廃業されました。

今でも、悔やまれます。


なぜなら、

・価格設定を間違えなければ、

むしろ価格がある程度高い方が

「高付加価値料理」

として、

「ここでしか食べられない料理」

と言う評価をいただる、

そんなメニューだったからです。

安売りしたために、

「どこでも食べられる料理」

に見えてしまったわけです。


さらに言うと、


「利益率を多いく改善できるキラーコンテンツ」


になる自主再建にピッタリの料理メニューになり得たわけです。


もちろん、

「実際に食べたお客様は大喜び」

です。


しかし、ホテルや旅館の料理は、

「原価率」

だけでなく、

例えば、

「提供方法 = 客室提供か、宴会場提供か」

や、

「ドリンクとのペアリング」

などが関わってくるため、

価格設定は、しっかりと考えた上で行う必要があります。

単品・単体で、考えることは、もちろんですが、

・月単位

・稼働率

・通年での利益率

などを考慮した「値付け」を行う必要があります。


団体や宴会も同じです。


単体で考えれば

「収益が出ている」

場合でも、

送迎バス費用や、固定費などを考えると、

ある程度の利益率が確保できていないと、

月単位で固定費を考慮すると、

「赤字」

と言うことがよくあります。

そのためにも、

しっかりとした


「数字を把握する仕組み = PMSの導入」



「食材原価・廃棄率の管理」

「固定費の把握」

などが必要になってきます。


このような、


「社内管理インフラの整備」

を行うこと、その上で、

自主再建には、

「料理メニューの見直し = 魅力アップ」

「宿泊プランのブラッシュアップ」

など、サービスコンテンツの見直しを行うことが重要な取り組みです。