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2022.04.03

蕎麦打ち教室

こんにちは。



ホテル旅館専門コンサルタントの坂本です。



10年ほどの話になりますが、



私は、



「星のや京都」



で、




「蕎麦打ち職人」



を6ヶ月ほどさせていただきました。



(練習含めて1日3回程度なので、


累計打ち数は、


「500−600回」


くらいでしょうか)


調理経験は、


「ほぼなし」
(お好み焼き屋で、キャベツ千切りが上手、な程度)

です。





研修期間15日、




いきなり、カウンターに出て、





お客様の目の前で、



蕎麦を打ちます。



めちゃくちゃ緊張して、



一度は、



指を切りました。
(もちろんお客様には、わからないように、
そして、その蕎麦は、もちろん全て捨てます)


某グルメ雑誌の編集長の前でも、


打たせていただいたこともあります。


一応、お褒めの言葉をいただきましたが・・・。
(もちろん、社交辞令です)


が、


正直、びっくりしました。



「蕎麦を打つだけ」



というと、怒られるかもしれませんが、



私は、



「自分が売った蕎麦が、


今まで食べた中で、


「本当に一番美味しい」


と思ったからです。


わずか、15日間の研修と、


その後の半年の実戦で、



「本当に美味しい蕎麦が、自分で打てるようになる」



これは、



「自分の可能性を広げてくれた」



と共に、



「若い人たちの可能性に気づかせてくれた」



貴重な経験でした。



そんな経験もあったため、




「星野リゾート」退職後、




関西のジュージアさん、


京都新聞さん、


リビング新聞さん、


生協さん


を中心に、蕎麦打ち教室を、


2年間で、最大25カ所くらいで


定期的に行いました。
(北は、滋賀県高島から、南は大阪鳳まで)



おかげさまで、1年間の交通費など、


「約100万円の赤字」


になりました。



累計で


「500人」


くらいの生徒さんを教えさせていただきました。


平均年齢で言うと


「50-60代の男性」


「自称 蕎麦通」


「全国蕎麦屋巡り経験者」


が、圧倒的に多いです。
(ご想像通りでしょ)



ただし、



もちろん、



「蕎麦打ちは、初めての方」



ばかり、なので、私と比較するのは、



「ナンセンス」



との認識を持っています。



その上で、



率直に言うと、



「私より蕎麦のこと」




「蕎麦打ちの知識」









「ある方は、いない」



です。



じゃあ、



生徒さんは、


なんの知識があるのか?



圧倒的に、私より、



「美味しい”蕎麦屋”を知っている」



です。



ただし、



私は、あんまり興味ありませんでした。




あくまで、



「蕎麦打ちは仕事」



なので、



「美味しい蕎麦」



は、




「私が売った蕎麦が、一番美味しい」




と言う自信もありました。




そうでないと、自分より年上の、



「自称蕎麦通」



の方々を、



「大人しく習わせる」



ことなどできませんので。



また、他の蕎麦打ち教室にも、



通わせていただきました。



京都のいくつも店舗運営している蕎麦打ち教室、



大阪本町の教室、



大阪堺東の製粉屋の教室、



長野小諸の蕎麦打ち教室




などなど。


どの教室の主催者も、


「素晴らしい人格者」


です。


その、経験や技術、ノウハウを注いで、


始めたのが、



「打ち立て!蕎麦塾」



でした。



ただし、



「事業としては失敗」



しましたので、



偉そうに言えませんが。



この事業の失敗を受けて、



私は、3つのことを学びました。



一つ目の学びは、


「ビジネスなのか、趣味なのか、を明確にすること」



です。


私の


「蕎麦打ち教室」


は、正直に言うと、


「趣味」


でした。



二つ目の学びは、


「ビジネスにするのであれば、計画を創ること」


です。



「目標・基準なきビジネスは、ビジネスにあらず」



と言うことを、実感しました。



初心者が、カーナビもなく、



初めての夜道を走るが如く、



危なっかしい運転、



と言うことです。



三つ目の学びは、



「価格決定権を持つ」



と言うことです。



上記の蕎麦打ち教室は、



カルチャースクールなので、



4割を手数料で持っていかれてしまいます。



そうなると、



残りの6割で、


・交通費

・材料費

・そして人件費


を考えなければいけません。


そうなると、



「無理な価格設定」



になります。



自然と、



「顧客満足度は下がります」



そうなると、



「通ってくれなくなる」



と言うことになり、



「採算悪化」







「悪循環となる」



と言うことです。



「趣味」



であり



「自己実現」



であれば、



特に問題ないのですが、



「ビジネス」



では、



残念ながら、



これでは



「成り立ちません」




最近、



「創業」



で、



数多くの問い合わせをいただきます。



自分が目指すものが、




「自己実現のための”趣味”」



なのか、



「世の中の課題を解決する”ビジネス”」



なのか、



ホテル・旅館でも



「趣味」



の方が、



まあまあ、いらっしゃいます。



「趣味が悪いわけではありません」



ただ、



「ビジネスとして、収益化するのは難しい」



と言うことです。



以上