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2022.04.02

ホテルの新規参入 ③ 事前準備について

こんにちは。


ホテル旅館専門コンサルタントの坂本です。


新規参入については、


2回で終わろうと思ったのですが、


やはり、


この


「事前準備」


に触れておかないと、



「同じ失敗を繰り返す事業者様」



を数多く見てきたので、



ご参考までに書いておきます。



一般的・基本的なことは、


前回、2回で書いたので、


そちらをご参考にしてください。



「アドバイザー」








「頭の切り替え」




です。




さて、



今回の、


「事前準備」


ですが、



よく言われることですが、



「仕事は事前準備が8割」



です。



私も、本気で、そのように



「実感」



しています。



逆に言えば、




「事前準備せず」




「場当たり的な対応」




をされている事業者様は、




「5年以内の、事業化・収益化は無理」




と言う認識です。



なぜでしょうか?



一言で言えば、



「ビジネスを甘く見ている」



と言うだけです。





「なんとなく、周りが儲かってそうなので、始めてみた」



と言う事業者の、



なんと多いことか。





「私には、これだけの経験があるから、大丈夫」



と、サラリーマン経験で、事業ができると考えている事業者の、


なんと多いことか。





「親父のやってきたことを、こうしたら、もっとビジネスがうまくいくのに」


と2代目3代目が、無理な投資をすることの、


なんと多いことか。




これは、ホテル旅館に限らず、


「全ての事業に共通すること」


です。



ここで必要なのが、



前述の、



「プロのアドバイザー」








「頭の切り替え」




です。




初めてのビジネスは、


「知らない」


ことが当たり前です。



だから、



「自分の経験でやろうとする」



たまたま、うまくいく人もいるかもしれませんが、




「そもそも、今まで、”自分の経験”でビジネスを、
うまくできていたのですか?」



「サラリーマン経験は、ほぼ、なんの役にも立ちませんよ」



と言うことです。



私の古巣、



「京セラ」






「稲盛 和夫」さんが、



「後継ぎを選ぶ時、どうしますか?」



と聞かれて、おっしゃった有名なエピソードがあります。




「うどんの屋台を渡して、現金5万円を渡して、
1ヶ月後に、一番儲けてきた人間を後継にする」


と言う話です。


もう数十年前の話ですが、


これは


「真実」


だと思います。


もちろん、


「運不運」


もあるでしょうが、


それも含めて


「経営者」


には、必要な要素です。





まずは、


商品です。


「本当に、うどん、で良いのか?」


同じ屋台であれば、


「ラーメン」の方が良いのではないか。



次に、



「場所」



はどこでやるのが良いのか。



飲み屋街でやるのであれば、



「ナワバリ」





当然



「競合」


も増えます。



もしかしたら、


変なヤクザが現れて


「場所代」





「何くせ」



をつけられるかもしれません。



事前に


「警察」


への届出も必要です。


食べ物を提供するわけですから、


「保健所」


への届出、


「行政」


への届出、


場所によっては、


「商店街組合」


への挨拶、


などなど、


開店するまでに、



「ルールを遵守する」



と言うことが必要になってきます。



その後、



「仕入れ業者」


を選び、



「味」


を整え、



「価格」


を決定して、


必要な


「備品」


を購入して、


やっと商売を始める。



おそらく、



「1ヶ月では開店できない」



と思います。



であれば、


今度は、社長へ、



「2ヶ月ください」



と言うのか、3ヶ月ください、と言うのか。



などなど、



いろんな事態を、



「想定する必要」



があります。



特に、



「田舎の馴れ合いの中でビジネスを進めてきた方」


は、この情報が古いので、


いまだに


「昭和」


「30年前の知識」



で進める方が多いです。



もちろん、



「政治力」


をお持ちの方もいらっしゃるので、


それは、


「例外」


です。



最近あった例を、挙げると、



・図面は、リフォームしかしたことないような業者が、始めてホテル1棟建を設計した、レベル
(建築基準法違反などが、そこかしこに見える)
・コンセプト・ターゲットもバラバラ
・資金はあるが、リスクは取りたくない、と中途半端な客室数
・朝食付きかどうかも、いまだに未定
・「温泉」があるから、お客様は来る、と盲目的に思い込んでいる

と言う案件でした。

具体的な建築基準違反などを指摘した上で、
私のビジネスパートナーの設計士を紹介しようとしても、
「地元の設計士にお願いしたい」の一点張り、

コンセプトについても、
「とにかく開業してから考える」

客室数も、「リスクは取りたくない」
「今の設計士だと、この階数までしか設計できない」

など、もう支離滅裂でした。


あくまで


「自称投資家」


の方でしたので、



「これって、転売する時、ほとんど値段つきませんよ」


とだけ、お伝えしました。



これは、投資家・不動産・建設業者に多いのですが、
賃貸マンション・分譲マンションを扱っていると、


「建築物の完成がゴール」


になっています。


ホテル旅館は、


「建築物の完成がスタート」


です。


「今から、育てていくもの」


です。



この、認識を買えていただかない限り、



「世の中に、要らないホテル旅館」


が、まだまだ増え続けることになるでしょう。


せっかく、お金を使うのでしたら、


有意義なお金の遣い方を。


以上