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2022.03.24

インバウンドが来ている理由とは?

こんにちは。

ホテル旅館専門コンサルタントの坂本です。

前回、

「インバウンドが日本に来ている理由」
について、少し触れました。

みなさんは、なぜだと思いますか?

もちろん、答えは、一つではありません。

いくつか挙げていきましょう。

一つ目、
日本は、皇紀2681年と、建国してから2600年以上経ち、
かつ「王朝(天皇制)が途絶えていない最古の国」です。
ご存じでしたか?
1970年代までは、エチオピアの王朝が
継続した王朝としては最古でしたが、
残念ながら、途絶えてしまっています。

ちなみに皇紀は、西暦=キリスト教歴より古いので、
天皇は、ローマ法皇・エリザベス女王よりも上座になります。

二つ目、
1つ目で、宗教の話が出ましたので、
宗教の歴史ももちろん、天皇制と同じ歴史がある
「日本神道」です。
これ自体も、もちろん関心を持たれていますが、
最も興味深いことは、
キリスト教やイスラム教が一神教であることに対して、
日本神道は「八百万(やおよろず)の神」です。
つまり、「全てのものに神が宿る」という、
全く反対の考え方です。

ちなみに、欧米では、いわゆるインテリジェンスと言われる方々は、
「宗教学」と「哲学」を必ず学びます。
それくらい重要で、基本的なことのようです。

三つ目、
江戸時代の「300年間の鎖国」で
ガラパゴス化した江戸文化への興味。
浮世絵や能、もちろん、それ以前からの、
茶道や禅、武士道、など、独自の進化を遂げた
文化に対する興味は尽きません。

四つ目、
唯一の被爆国です。
その体験や状況を学ぶだけでも、
「平和教育」という意味では、
「世界で最も影響のある国」です。

さらに原子力という意味では、
東日本大震災では「福島原発のメルトダウン」を
経験しています。
首都圏からわずか300kmの場所で、
起きた未曾有の事故です。

これほど、原子力や、
自然災害などについて、
実体験コンテンツを持っている国は、
世界中、どこにもありません。

五つ目、
「南海トラフ災害」が迫っていて、
世界でも一番手になるくらい「自然人口減少」が
始まっており、
「いつ滅びるかわからない国」
「日々失われていく文化」
の国です。
世界の国々からすれば、
「失われるもの」を「失われる前に見ておきたい」
というのは、至極当然のことかと思います。

他にも、細かいことを挙げれば、
いくらでもありますが、
大きいところで言うと、
この5つくらいでしょうか。

では、この5つを考えると、
インバウンドには、どのような観光コンテンツを
おすすめするのが良いのでしょうか?

まずは、
「歴史(プロセス)」です。

ちゃんとした「日本文化の基礎の基礎」
を理解して、説明する必要があります。
そのためには、日本には四季や雨季があること、
そのおかげで、多種多様な食材、
発酵食文化などがあることを、
理解する必要があります。

もちろん、江戸時代の能や狂言、浮世絵などについても、
勉強する必要があるでしょう。

大切なところで言えば、
「お寺」と「神社」の違いは、わかりますか?
お寺は仏教、神社は日本神道です。
では、それぞれの役割は?
高野山などには、神社とお寺が同じ敷地にありますが、
これはどうして?などを勉強する必要があります。

京都で「茶道体験」や「レンタル着物」があるのですが、
「なぜ茶道と言う文化が生まれたのか」
「着物と言う民族衣装は、日本の四季とどのように関係しているのか」
などと言う話を聞いたことがありませんし、
説明しているところも見たことがありません。

形ばかり、形式ばかりの体験に、
インバウンドは不満足の方が多いです。
もう少し、
「どのような背景からこの文化が生まれたのか」と言う
説明を行う必要があります。

そして、
「現状(課題の共有)」です。

戦後、このような教育は禁じられ、
私の親の世代は、まだ多少の知識を持っていますが、
私の世代は、ほぼ持っていません。
子供の世代は、言わずもがな・・・。

非常に危機感を持つ必要があるでしょう。
特に「宗教」については、
怪しい新興宗教などの話と相まって、
タブー視されています。

これでは、倫理観のある大人が生まれません。
「大人の子供化」もこれが原因の一つなのでしょう。

これから、さらに経済発展していく国にとっては、
このような「課題の共有」こそ、
重要な教育の一つになるでしょうし、
「わざわざ日本へ来た甲斐があった」と言うことに
結びつくでしょう。

なかなかこの「課題の共有」は、
「観光旅行」で伝えられるようなことではありません。

まずは「歴史(プロセル)」を伝えることから
初めてみてはどうでしょうか。

きっと、「また来ます!」
「友人にお薦めします」
と言うお客様が増えることと思います。

まずは、みなさん自身が、
日本人自身が、このくらいの意識を持って、
インバウンド対応を行えば、
年間6000万人くらいは、軽くくるでしょう。

世界には70億人の人間がいます。

まずは、みなさん自身が、
勉強してください。
そして、その知識を共有して、
みんなで、素晴らしい日本の観光コンテンツを
創り、広めていきましょう!