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2022.03.22

補助金コンサルタント

こんにちは。

ホテル旅館専門コンサルタントの坂本です。

中小企業診断士でもあるので、
この10年間、補助金関係の仕事は、
結構させていただきました。

中小企業診断士は、
経済産業省・中小企業庁の政策を推進する役目をになっている、
コンサルタントとしての国家資格保有者のことです。

まずは、訳がわからないまま、
「ものづくり補助金」の審査員。
(これは酷かった。報酬もひどかったですが、
私自身の審査内容もひどかったです。


審査した事業者の方々へ謝りたいレベルです。
ただ、この経験があるから、
今回の事業再構築補助金の
審査員のレベルも想像できます)

その後、ものづくり補助金の
申請のお手伝いをさせていただき、
やっと「補助金ってこう言うものなんだ」
と言うことが理解できました。

ある企業様の試作品開発の補助金申請で、
無事に採択されましたが、
正直、なぜ採択されたかも
よくわからないまま、
一生懸命に取り組んだ案件でした。
だから、結果としてよかったのでしょう。

その後、小規模事業者持続化補助金の
商工会でのセミナーや、
実際の申請書類の作成支援などで、
かなり経験を積みました。
多分、この10年間で、
補助金の申請支援は、
重いものから軽いものまで、
500件は余裕でこえていると思います。

また、2015年くらいから5年くらいは、
支援した企業様の採択率は、ほぼ100%と思います。

まあ、小規模事業者持続化補助金は、
元々「バラマキ補助金」と言われていたくらいなので、
採択されて当たり前なのですが・・・。


ただ、この新型コロナウイルス感染症の中で、
補助金・助成金・給付金・支援金が、
ごちゃごちゃに扱われて、
給付金詐欺の話が、補助金に影響したり、
その混乱の中で、事業再構築補助金が始まりましたが、
1−4回目の事業再構築補助金については、

率直に言わせてもらえば、
「審査員の補助金への理解不足、
事業性評価へのコメントなど、
採択された案件の先行きが不安です」

と言う言葉に集約できると思います。

この事業再構築補助金の審査員が
まあ「中小企業診断士」なんですね。

つまり、
診断協会が、今までの
”大企業経験や公的機関経験、
金融機関経験などを優先”
して選んだ?選ばれた?審査員=なりたて診断士、
がまともな審査ができるのか。
と言うことです。

なりたてでなくても、年金暮らしで、
浮世離れした”年金診断士”に審査員ができるのか、
と言うことです。

この中小企業診断士への評価は、
このような補助金審査に限らず、
専門家派遣を活用されている事業者様、
商工会、商工会議所、金融機関さん、
皆さんの共通意見です。
真摯に受け止める必要があると思います。

報酬も言いませんが、
「数千万円の補助金の審査がこの金額!?」
と言う感じです。


採択された皆さん、採択されただけで安心していると、
完了報告時に、かなり話が変わる可能性があるので、
今からでも、準備をしっかりしておくことを、
本気で忠告しておきます。

じゃあ、私はどうか、と言いますと、
事業再構築補助金については、
1回目5件の申請を行いました。
正直、金融機関からの確認書や売上減少証明など、
全て揃えていたので、
5件とも採択されるだろう、と考えていました。

結果として、5件とも不採択でした。

負け犬の遠吠え、ですが、
審査員コメントや、他の採択案件を20件ほど見ましたが、
上記の言葉が正直な感想です。

もっと正確に言うと、
「ページ分量と、
ものづくり補助金の採択パターンと
同じ書き方で申請すれば採択される」
でした。

ただ、ものづくり補助金については、
「ものづくり補助金に採択された企業の平均成長率と、
一般企業の平均成長率が、
ものづくり補助金に採択された企業の平均の方が低い」
と言うことは一昨年10月に内閣府から発表されています。
そのため、完了報告など、かなり厳しくなっています。
(補助金事務局がパソナさんなのもありますが・・・)

もし1−4回目で不採択だった事業者様は、
「あまり一喜一憂しない方が良いですよ」と言うことは、
お伝えできると思います。


ただ、これは言っても仕方ないことです。

審査員に選ばれた診断士の方は、しっかりと、
補助金の公募要領を読み直して、
補助事業の主旨や要件を理解して、
さらには、ご自身の中小企業経営に対する能力不足を認めて、
せめて1件2時間くらいの審査時間をかけて、
報酬以上の仕事をしてください、と言うしかありません。


ただ、そうは言っても、
事業者の皆さんの耳には
「良い話ばかり入ってくる」
ようで、相変わらず、
問い合わせはたくさんいただきます。

でもね、事業者の皆さん、
「自分で理解する努力」はしましょう。
全く「わかりませんが、とにかく補助金はないですか?」
は、
「私は何も考えていません」と言っているようなものですよ。

本来補助金などは、「無いほうが自然」なのです。
そのような「麻薬」の味を一度覚えてしまうから、
おかしくなるのです。

私も補助金コンサルタントとしても活動していますが、
「補助金などは、使わない方が良い」
が一番です。

それでも使いたい方、
「ある程度自分で汗をかいて、事業計画を見直して、
将来を見直すために、活用するのであれば、
この補助金をきっかけにしましょう」

です。

決して「なんか補助金取れませんか」
はご遠慮ください。
そんな暇があれば、本業にしっかり取り組んでください。