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2022.03.20

ホテルの経営改善

こんにちは。

ホテル旅館専門コンサルタントの坂本です。

色々な宿泊施設に、コンサルタントとして、あるいは場合によっては、
総支配人や支配人として経営改善に携わります。

しかしながら、やるべき順番は、1つしかありません。
やり方は、施設のグレードや特徴によって、
多少の違いはありますが、
順番は1つしかありません。

まずは、何をおいても、
「レベニューコントロールの導入」です。

逆にいえば、これをやれば、3−6ヶ月で、
売上が上がります。
私の経験で言うと、100%、前年よりも上がります。

ただし、このレベニューコントロールは、
人によって理解が異なったり、
やはり、上手下手、OTAの特徴を理解している、理解していない、
で、かなり結果に差が出ます。

以下のような理解の方が多いと思います。
・公式ホームページを作成して、誘導する
・OTAに登録して、サイトコントローラーを導入する
・価格を上げ下げする(根拠なく)
・イベントの時は、価格を上げる

細かい説明は省略しますが、
上記は、間違いではありませんが、
多分、時間をかけてやっても、あまり売上は上がらないと思います。
では、どうするのか。

まずは、
「戦う体制を作る」が一番です。
つまり、OTA登録はもちろんですが、写真のクオリティ、
宿泊プランが、ターゲットや、既存顧客に、あるには社会ニーズに
合致している宿泊プランになっているか、
価格の根拠は統一されて、ちゃんとお客様に説明できるものになっているか、
など、まずは内部の整理整頓が重要です。

ここで、最も大きなミスをするのは、
「この整理整頓を自分たちでやろうとする」ことです。

はっきり言うと、無理です。
知らない人たちが、知らないことはできません。

私がご支援する宿泊施設には、必ず、以下の3つの質問をお伝えします。
・稼働率90%以上で繁盛している宿泊施設のオペレーションを知っていますか?
・稼働率90%以上で繁盛している宿泊施設のマーケティング戦略を知っていますか?
・上記2つを知らないのに、どうやって改善するのですか?

無理なんです。
申し訳ないですが、「知らない人たちには、知らないことはできない」のです。
そこで私のように「知っている人間」がコンサルタントとして支援するわけですが、
普通に話しても「知らないから、わからない」状況になり、
既存スタッフは「ただ不安になる」だけです。

では、そもそも稼働率90%の宿泊施設と、
稼働率が60%程度の宿泊施設では、何が違うのでしょうか?
サービスも違えば、設えも違うでしょう。

ただ、最も大きな違いは、
「顧客満足度」です。
「お客様が満足しているかどうか」です。
あるいは、
「お客様が感動しているかどうか」です。

つまり、ここからは、
「お客様が、いかに喜んでお金を払いたくなる仕組みを創るか」
を基準にサービスや設え、料理を考える必要があります。

これがまた難しい。

なぜなら、「スタッフ自身が、感動したサービスを受けた経験がない」からです。
いや、もっといえば、
「感動する感度が無くなっている」と言う方が正しいかもしれません。

そこで、経営改善に時間をかけられるのであれば、
徐々に「お客様からのお褒めの言葉をいただい」たり、
「自分自身が、感動サービスを受けられる宿に泊まりに行ったり」と
経験に時間をかけて、育てることもあります。

ただ、個人的な感覚で言うと、
これは20代までの話で、30代になると、無理です。
もう干からびています。

結論から言えば、
「辞めてもらいます」

双方にとっても、それが一番の解決方法です。
残る方も苦痛ですし、
残す方も苦痛です。

今の日本は、この
「本来辞めるべき人たちが残り、主流となっている」
ことで、サービスレベルの低下、
あるいは「(若い老いにかかわらず)老害」となっています。

日本のサービス業は、
一度底辺まで行くしかない、と思います。

逆に言えば、若い方や、新規参入施設にとっては、
「非常に大きなチャンス」です。

仕事の基本である「事前準備(宿泊施設の場合は、
図面・コンセプト・ターゲット・コンセプトカラー・提供料理など)」
をしっかりした事業者に任せること、

宿泊施設の基本である、
「レベニューコントロールやインバウンド戦略含めた
マーケティング戦略をしっかり組み立てること」

サービス業の基本である、
「人材育成や福利厚生について、計画的に進めること」

などができていれば、
地方にあっても、都市部にあっても、
十分な勝算はあります。

最近、新規開業の問い合わせがきますが、
どの事業者も「場当たり的」で、
残念ながら、事業的に収支が成り立つとは思えません。

そしてそのような事業者は、
「ワンマンオーナー」が多く、
「では、自分でやります」と言う方がほとんどです。

宿泊施設運営は、他業種で成功した人が成功できるほど、
素人が成功できるほど、甘くありません。

本当にビジネスとして、成功させたいのであれば、
ちゃんとプロフェッショナルに、
私でなくても良いので、それなり以上に経験があるプロフェッショナルに、
依頼するようにしてください。

これ以上、転売価値がゼロになるような宿泊施設が増えても、
結局「日本の観光業の魅力が低下している」と言う
大局で物事が見れる方が、少しでもいらっしゃることを
期待しています。